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BMI
BMI(Body Mass Index)は、体重と身長から算出される体格指数で、肥満度を表すものです。計算式は世界共通ですが、肥満の基準が世界によって異なります。WHO(世界保健機関)と日本における基準を掲載しておきます。
WHO(世界保健機関)の定めた基準
BMI | 判定 |
16未満 | 痩せすぎ |
16以上17未満 | 痩せ |
17以上18未満 | 痩せ気味 |
18以上25未満 | 普通体重 |
25以上30未満 | 全肥満(太り気味) |
30以上35未満 | 肥満1度 |
35以上40未満 | 肥満2度 |
40以上 | 肥満3度 |
日本肥満学会の定めた基準
BMI | 判定 |
18未満 | 低体重(やせ) |
18以上25未満 | 普通体重 |
25以上30未満 | 肥満1度 |
30以上35未満 | 肥満2度 |
35以上40未満 | 肥満3度 |
40以上 | 肥満4度 |
BMIの計算式は以下のようになります。
BMI = 体重kg÷(身長m)2
BMIの例題:
身長160cm、体重64kgである成人のBMIを計算しなさい。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点第1位を四捨五入すること。(第102回)
まず、身長をmに変換する必要があります。
160cm÷100 = 1.6m
BMI = 64kg÷(1.6m)2
計算は指数の部分から行います。
BMI = 64÷2.56
= 25
練習問題
身長170cm、体重70kgの成人の体格指数<BMI>を求めなさい。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。(第108回)
170cm÷100 = 1.7m
BMI = 70kg ÷ (1.7m)2
= 70 ÷ 2.89
= 24.22…… = 24
このBMIを用いた適正体重(標準体重)を計算する方法もあります。
BMI22となる体重を適正体重としたものになります。BMI22の体重は、統計上、脂質異常症や糖尿病、高血圧などの病気にかかりにくいとされています。
適正体重=(身長m)2×22
適正体重の例題:
身長160cmの成人の適正体重は何kgでしょうか。
160cm÷100 = 1.6m
適正体重 = (1.6m)2×22
= 2.56×22
= 56.32kg
子どもの体格指数
BMI同様、体重と身長から求めるもので、年齢に応じて体格指数が異なります。乳幼児であれば、カウプ指数。小中学生であれば、ローレル指数を用いることになります。
カウプ指数
カウプ指数は、大体3ヶ月から5歳くらいまでの乳幼児を対象とします。計算式は以下のようになります。
カウプ指数 = 体重g÷(身長cm)2×10
※ 体重kg÷(身長m)2 でも計算可能です。ただし、乳児になると体重や身長が小数になることが多く(例えば、身長0.9m、体重0.8kgなど)、計算ミスする可能性が上がります。小数計算が得意な人は、こちらで計算するのも良いです。
カウプ指数の基準(厚生労働省)は以下のようになります。
カウプ指数 | 判定 |
15未満 | やせぎみ |
15以上18未満 | ふつう |
18以上 | ふとりぎみ |
参考書によって、18以上20未満程度で優良と記載されているものもあります。
おおよそではありますが、20以上になると肥満と判定されます。
カウプ指数の「ふつう」に関しては、年齢に応じて変化します。
指数 | 判定 |
3ヵ月~1歳未満 | 16~18未満 |
1歳~1歳6ケ月未満 | 15.5~17.5未満 |
1歳6ケ月~3歳未満 | 15~17未満 |
3歳~5歳まで | 14.5~16.5未満 |
カウプ指数の例題:
身長100cm、体重28kgの幼児。身体発育の評価はどれか。(第97回)
1. 肥満 2. 肥満傾向 3. 標準 4. やせすぎ
カウプ指数とは書かれていませんが、幼児とあるのでカウプ指数を用いて求めることになります。
まず体重をgに変換します。
28kg×100 = 28000g
カウプ指数 = 28000g÷(100cm)2×10
= 28000÷10000×10 = 28000×10÷10000
注意:10000×10は先に計算できません。先に28000÷10000と前から順に計算しましょう。
または、掛け算の入れ替えで、28000×10÷10000で計算することは可能です。
= 28
よって、「1. 肥満」が正解となります。
練習問題
身長が100cm、体重が15kgの子どもがいます。この子どものカウプ指数を求めなさい。小数点以下の答えが得られた場合、小数点第1位を四捨五入すること。
15kg×1000 = 15000g
カウプ指数 = 15000g÷(100cm)2×10
=15000÷10000×10
=15000×10÷10000 (割り算と掛け算の入れ替え)
=150000÷10000
=15
ローレル指数
ローレル指数は先述の通り、児童の体格を表す指数になります。
ローレル指数は国家試験において計算問題としては出題されていません。「カウプ指数の計算式はどれか」という選択肢の中にローレル指数の計算式が入っていた程度です。計算はかなり時間がかかるので、出題される可能性は低いでしょう。先述の問題のようにローレル指数の計算式を選ばせる問題が出題される可能性は十分あります。しっかりと覚えておきましょう。
ローレル指数の計算式は以下のようになります。
- 体重kg÷(身長cm)3×107
- 体重g÷(身長cm)3×104
- 体重kg÷(身長m)3×10
ローレル指数は、単位の違いにより10の何乗かが変わってきます。指数が何乗になるか覚えていなくても、身長が3乗になっているという点を覚えておけば正答する可能性が上昇します。
ローレル指数の基準値は以下のようになります。
ローレル指数 | 判定 |
100未満 | 痩せ |
100以上115未満 | 痩せ気味 |
115以上145未満 | 標準 |
145以上160未満 | 太り気味 |
160以上肥満 | 肥満 |
肥満度
上記以外の体格指数計算以外にも、肥満度の計算があります。
肥満度(%) = (実測体重-標準体重)÷標準体重×100
肥満度の判定は以下のようになります。
肥満度(学童期) | 肥満度(幼児期) | 判定 |
-20%未満 | -15%未満 | やせ |
-20%以上20%未満 | -15%以上15%未満 | ふつう |
20%以上 | 15%以上 | 肥満 |
肥満度の例題:
A君(11歳)は身長145cm、体重50kgである。身長145cmの11歳男児の標準体重は38kgとする。A君の肥満度を求めなさい。(第103回追試)
肥満度 = (50kg-38kg)÷38kg×100
=12÷38×100 = 12×100÷38 (割り算、掛け算の入れ替え)
=1200÷38
=31.5……
≒32
練習問題
9歳の男児。体重36.0kg。標準体重を30.0kgとした場合の肥満度を求めなさい。(第96回)
肥満度 = (36kg-30kg)÷30kg×100
= 6÷30×100 = 6×100÷30
= 600÷30
=20%

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