比例式
2つの状態を比較して、その時の2つの量の割合(比)が変わらないときに作られる式を比例式といいます。たとえば、注射液のお話。状態は注射をする前のアンプルの状態と、注射器に取り出した後の状態の2つがあります。注射をするときアンプルから薬液を注射器に取り出すわけですが、その時の薬液の濃度はアンプルの濃度と変わりません。すなわち、注射器に取り出す前と注射器に取り出した後の薬液量と薬剤量の比が変わりません。このときに比例式が作れます。

※ アンプルや注射器の中の白い○は薬剤だと思ってください。
例えば、2mLのアンプル内に0.4mgの薬剤が含まれているとします。このとき、医師から薬剤0.2mgの投与の指示があった場合、半分の薬剤を投与するわけなので薬液も半分にすればいいわけです。この関係を表してみると、
2mL:0.4mg(アンプル) ▷ 1mL:0.2mg(注射器)
アンプルの状態と注射器に取り出した状態の2つがあるわけですが、この2つの状態において薬液と薬剤の2つの量の濃度に変わりはない(同じ)ので、
2mL:0.4mg = 1mL:0,2mg
と表すことができます。
これが比例式になります。
簡単なものであれば、上記のように「半分」とかで計算できますが、複雑なときにはこのような形で計算するのが難しいときがあります。その差は、比例式の計算を行う必要があります。
比例式の計算は、一般的に次のように表します。
a:b = c :d
この状態では計算できませんが、次のような形で計算することができます。

上記のように外側と外側を掛け算し(外項の積)、内側と内側を掛け算し(内項の積)、その2つが同じであることを利用して
a × d = b × c
と表すことができます。
これを用いると、わからないものが1つあったとき、そのわからないものを求めることができます。
比例式の例題:
ラベルに250mg/5mLと表示されている注射薬を200mg与薬するのに必要な薬液量(mL)を計算しなさい。(第96回午前27)
この問題だと、注射器に入れる薬液量(mL)の1つだけがわからないので、比例式で計算ができます。
比例式で表すと、
250mg:5mL = 200mg : XmL
※ 並べる順番に注意! mgとmLの順番で並べたら、後ろもmgとmLの順番にすること!
外側と外側、内側と内側の掛け算を求めると
250X = 5×200
250X = 1000
X = 4mL
となります。
練習問題
100mg/5mLと表記された注射薬75mg与薬するのに必要な薬液量を求めなさい。ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。(第111回午前90)
100mg:5mL = 75mg:XmL
100X = 5×75
100X = 375
X = 3.75
X ≒ 3.8mL

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