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酸素ボンベはその名の通り、ボンベの中に酸素を詰め込んだものになります。COPDや肺疾患などで低酸素血症になった場合、外部から酸素を供給しなければならないことがあります。在宅酸素療養の際には酸素濃縮器を使うことがありますが、外出時などは酸素ボンベが必要となります。外出時などは酸素ボンベの残量を確認し、利用できる時間を知る必要があります。本項目では、その酸素ボンベがどのくらい使えるかの計算をやっていきます。
酸素ボンベは残り何分使えるかという表示はありません。圧力計や残量計の目盛りから何分使えるかを自分で確認します。看護師国家試験では、この計算問題が出題されています。
計算問題では、圧力計(内圧計)を使った問題が主で酸素の残量を計算することから始めます。計算の解き方は以下のようになります。
満タン時の圧力(Pa、kgf/cm2):満タン時の酸素量(L)
= 使用後の圧力(Pa、kgf/cm2):使用後の酸素量(L)
比の式を作り、まず使用後の酸素量(L)を求めます。
次に使用後の酸素量(L)を1分あたりの吸入量(L/分)で割ります。
残り使用可能時間 = 使用後の酸素量(L)÷吸入量(L/分)
酸素ボンベ例題:
3L/分で酸素療法中の入院患者が、500Lの酸素ボンベ(14.7MPaで充填)を用いて移動した。現在の酸素ボンベの圧力計は5MPaを示している。酸素ボンベの残り使用可能時間を求めなさい。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。(第107回)
比の式を作ると、
14.7MPa : 500L = 5MPa : XL
14.7X = 5×500
14.7X = 2500
X = 170.06…… = 170L (酸素の残量)
これを吸入量で割るので、
使用可能時間(分) = 170L÷3L/分
= 56.66……= 57分
練習問題
150kgf/cm2、500Lの酸素ボンベの内圧計が90 kgf/cm2を示している。この酸素ボンベを用いて2L/分で酸素吸入を行うことになった。使用可能時間を求めなさい。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。(第100回)
150 kgf/cm2:500L = 90 kgf/cm2:XL
150X = 90×500
150X = 45000
X = 300L
300L÷2L/分 = 150分
安全係数は「0.8」で、酸素残量にかけて残量を少なく見積もります。
例題だと、170Lあったので
170L×0.8 = 136L
136L÷3L/分
= 45.33…… ≒ 45分
のように求めることになります。本来は57分使えるのですが、45分と見積もることで何かがあっても12分の余裕を作ることができます。
一応覚えておいて損はないと思います。

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